英語教育

2020年開始!新学習指導要領の外国語活動とは?ポイントと家庭でできる対応

2020年開始!新学習指導要領の外国語活動とは?ポイントと家庭でできる対応

こんにちは、けしもちです。
2020年(令和2年)度から、新学習指導要領がスタートします。
ソラミレ!では、その中でも”外国語活動”と”外国語科”に注目してお話したいと思います。公立学校のほとんどで”外国語”は英語を意味するので、実質的には英語教育についてのお話です。

この記事で何がわかる?
小学校から高校まで、新学習指導要領の実施で英語学習がどう変わるのか?

それに対して家庭ではどう対応すればいいのか?がわかります。

新学習指導要領の概要

すごく長いので超省略して書くと・・・
要するに、将来子供たちがグローバル化、社会構造の変化、AIやICTの進歩による技術革新などの劇的な状況変化に対応し、しっかり生きていける人間になれるように、学校で教える内容を変えますよ、ということ。
参考:文部化科学省ホームページ

開始時期

平成30年~令和元年度の2年間(中学校は3年間)が旧学習指導要領からの移行期間です。
要はお試し期間があったんですね。
なので、「うちの学校では公立だけどもう英語始まってるよ~」なんかもあり得たわけです。

正式な開始は、

  • 小学校では令和2年度から全面実施。
  • 中学校では令和3年度から全面実施。
  • 高校は令和4年度から順次開始。

という感じです。

学習指導要領の改訂で重視されたこと

  • 子供たちが未来社会を切り拓ひらくための資質・能力を一層確実に育成すること
  • 知識及び技能の習得と思考力,判断力,表現力等の育成のバランスをとりつつ理解の質をさらに高めること

キーワードは、「自分で問題を見つけて、考えて、答えまで導けること」です。
今までも、「これからの時代はアクティブラーニングだ!」と言われてきたけど、これからはもっと“自分で考えて動くこと”が求められます。

注:そのわりにブラック校則などが放置されているので、現場と文科省の温度差が感じられます。

校種別のポイント

小学校の中学年(3~4年生)で導入される外国語活動のポイント
  • R2年度から、全国の公立小学校の中学年でスタート
  • 外国語に慣れ親しむ機会を増やし、外国語によるコミュニケーション能力を向上させるのが目標
  • 「読む」「書く」は含まず、「話す」※「聞く」が中心
  • 評価はするけど成績はつかない 楽しんでいればよい

※「話す」は【発表】と【やりとり】の2つに分けられる

小学校の高学年(5~6年生)で導入される外国語科のポイント
  • R2年度から、全国の公立小学校の高学年でスタート
  • 平成 23 年度から高学年において外国語活動として導入されてきたが、音声中心の学習だったので、中学校からの文字中心の学習にうまくつながっていなかった
  • 中学校へのつながりを考えて英語の「読む」「書く」スキルを伸ばす
  • 外国語科として、国語や算数と同様に評価し、成績がつけられる
中学校の外国語科(英語科のこと)改訂ポイント
  • R3年度から、全国の公立中学校でスタート
  • コミュニケーションやアウトプットに重視した活動や授業が増える
  • 中学校卒業段階でCEFRのA1レベル相当(英検3級)以上を達成した生徒を5割以上にする
  • 基本的に授業は外国語で行われる
高校の外国語科(英語科のこと)改訂ポイント
  • R4年度から、学年ごとに順次スタート
  • 令和6年度の大学入試と連携(大学入試英語成績提供システムの導入)
  • 3種類7科目から2種類6科目に整理された(いずれも選択科目を含む)
  • 高校卒業段階でCEFRのA2レベル相当(英検準2級)以上を達成した生徒を5割以上にする
  • 基本的に授業は外国語で行われる

 

  • 小学校3年生から高校3年生までの10年間を英語教育に費やす
  • コミュニケーションとアウトプットに力を入れようとしている
  • 中学生以上は基本的に授業を英語で行う
  • ALT(外国語指導助手)やICT教材(デジタル教材)、民間企業との連携など多面的な学習機会を模索している
新学習指導要領

小学校の詳細 Good&Bad

外国語活動と外国語科のねらいは、次の通りです。

  • 中学年は、「聞くこと」「話すこと【やり取り】」「話すこと【発表】」の三つの領域を設定し,音声面を中心とした外国語を用いたコミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成すること。
  • 高学年は、「聞くこと」「読むこと」「話すこと【やり取り】」「話すこと【発表】」「書くこと」の五つの領域コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成すること。
  • 2学年間に指導する語は,600~700語程度の見込み。

良い点

  • 比較的早い学年(小学校3年生)から英語に慣れることができる
  • 専科教師(英語だけを担当するスペックの高い先生)が増える
  • ALT(外国語指導助手)やICT教材(デジタル教材のこと)の活用が増える
  • 公立なので無料

いまいちな点

小学校の先生の英語力は無きに等しい

  • 小学校教師のうち中・高等学校英語免許状を所有している割合 5.9%
  • 小学校教師のうち、外部英語試験を受験し、CEFR B2レベル(英検準1~1級、TOFEL72-94)以上を取得している教師の割合 1.1%

ALTが少なすぎるうえにクオリティが不均一

  • 全国の公立小学校約2万校(平成30年度文科省統計)に対して、1.3万人しかいない。
  • そもそもALTの質にかかわる採用基準などが曖昧

参考:NPO法人グローバル教育推進機構

中学年は週に1回、高学年でも週に2回しか授業がない

週に45~90分の英語学習が子どもに与える影響はどんなもんなんだろう・・・英語に”慣れる”にはちょうどいいのかもしれないが、効果的にはかなり不透明な部分が多い
あくまで個人的な意見です。

成績がつけられて英語が嫌いになる子が続出する

ある程度仕方ない部分もあるが、小学校の現状や先生のスキルを考えると、小学校では”英語に慣れさせる”ことに注力しても良かったのではないかと思う。
あくまで個人的な意見です。

 

中学校の詳細 Good&Bad

中学校の外国語科つまり英語科のねらいは、

  • 社会における様々な場面で活用できる技能(聞くこと,読むこと,話すこと,書くことによる実際のコミュニケーション)を身に付けること。
  • やりとりや即興性を備えた使える英語力を身に着けること。
  • 50%以上の学生がCEFRA1レベル(英検3級程度)相当以上を達成すること。
  • 小学校で学習する600~700語に加え,五つの領域別の目標を達成するための言語活動に必要な「1600~1800 語程度」の語を自由に使えるようになる。
    ※現在は、1200語程度なので、400語~増えます

良い点

  • ALT(外国語指導助手)やICT教材(デジタル教材のこと)の活用が増える
  • 公立なので無料

いまいちな点

やっぱり英語の先生のレベルが低い

英語担当教師でCEFRB2レベル(英検準1級程度)相当以上を取得している割合は36.2%(平成30年度)

⇒衝撃的に低い水準。どうやって即興性の求められる英語を教えられるのか疑問。

学年が上がるにつれて英語で授業する割合が低くなる

⇒ちょっと複雑な内容になると、英語で説明できないってこと。

ALTの活用率が低すぎる
  • そもそも全国で8,019人しかおらず、全国9,421校(平成30年度時点)に対して少なすぎる。
  • 平成29年度のALT活用率は小学校の71.4%に対して、21.1%しかない
目標が多い&曖昧すぎる

5割の生徒をCEFRA1レベル(英検3級程度)相当以上にさせる、という割にはコミュニケーションやアウトプットを重視した授業時間と内容になるため、色々なことが中途半端になる

やっぱり置いてけぼりの生徒が増加し、英語きらいが増加する

 

高校の詳細 Good&Bad

高校の外国語科(ほとんどの場合は英語)のねらいは、

  • 「聞くこと」「読むこと」「話すこと【やり取り】」「話すこと【発表】」「書くこと」の五つの領域を総合的に扱うことを一層重視する必履修科目として「英語コミュニケーションⅠ」を設定し,更なる総合的な英語力の向上を図るための選択科目として「英語コミュニケーションⅡ」及び「英語コミュニケーションⅢ」を設定したこと。
  • 「話すこと」「書くこと」を中心とした発信力の強化を図るため,特にスピーチ,プレゼンテーション,ディベート,ディスカッション,まとまりのある文章を書くことなどを扱う選択科目として「論理・表現Ⅰ」「論理・表現Ⅱ」及び「論理・表現Ⅲ」を設定したこと。
  • 取り扱う語については,小学校及び中学校で学習した語に 400〜600語程度の新語を加え、卒業時点で4,000~5,000語程度が習得可能。

良い点

  • 科目が2種類(英語コミュニケーション〇〇と論理・表現〇〇)になって少しだけわかりやすくなった。
  • 高校卒業までにCEFRのA2レベル相当(英検準2級)以上を達成した生徒の割合が、平成25年度に比べて10%近く増加している。

いまいちな点

どこまでも英語の先生のレベルが低い

英語担当教師でCEFRB2レベル(英検準1級程度)相当以上を取得している割合は68.2%(平成30年度)

⇒いや、高校生になると準1級取るやつ出てくるから、生徒と先生が同じレベルまたは生徒より低いってどうなん!?
このレベルの教師で、どうやってアウトプットを中心とした「論理・表現」の科目を実施して評価するのか不明。

学年が上がるにつれて英語で授業する割合が低くなる

英語で授業を行う割合は、普通科では1年生で63.8%だが3年生になると4~30%になる。
※英語又は国際専門科では3年間を通して90%以上が英語での授業を保っている

ALTの活用率が絶望的に低すぎる

そもそも全国で2,794人しかおらず、全国3,559校(平成30年度時点)に対して少なすぎる。
平成29年度のALT活用率は小学校の71.4%に対して、9.7%しかない

⇒もう活用する気ないでしょ。

大学入試英語成績提供システムの導入が大幅に遅れた

文科省と民間の連携と調整が全く取れておらず。パブリックコメントも十分に行わずに、居住地域や家庭の経済状況が受験生に与える影響を見過ごした/過小評価した。結果的に大きく公平性を欠如するシステムになり、導入が大幅に延期された。

結局、根本的に英語を評価するシステムが変わらないので、勉強としての英語はできるが使える英語が身につかない

  • そもそもの基礎英語力が低い教員が多すぎる
  • ALTが少ないうえに活用率が低すぎる
  • コミュニケーションやアウトプットを評価、指導できる教員が少なすぎる
  • ICT教材の活用が増える
  • 高大連携が予定より遅れている
新学習指導要領

家庭でできる対応

小学生にできる対応

前述のとおり、新学習指導要領が示す内容と現実の学校の状況に差がありすぎるので、公立小学校の英語教育には大きな期待はできません。

むしろ、小学校から英語教育が始まってラッキーなどと思っていると、大きな落とし穴になりかねないでしょう。つまり、子供が小学生のうちに英語嫌いになってしまう可能生がでてくるということです。

小学校はすべてが一様ではありません。先生は人事異動があり、年度によってはモチベーションが低かったり、経験の浅い先生ばかりになってしまうこともあります。

また、経済的に困窮していたり、複雑な家庭環境に身を置いていたりと、様々な状況と事情を抱えた子供たちが多い地域では、教育困難校となっている学校もあります。

そのような条件下で小学3年生から外国語活動が始まると、子供は適切な指導を受けられず、英語自体が理解不能となり、英語そのものが嫌いになってしまう恐れがあります。

家庭でできる対応1つ目

可能であれば幼稚園から、少なくとも小学校1年生の2学期後半くらいから英語に触れさせていくことです。

意識の高いまた教育に時間とお金をかけられる余裕のある家庭では、幼児から英語教育を始めていることが多く、3年生で突然外国語活動が始まった子からすると、その子たちとの差が埋まらないと感じてしまうと、子供が英語への関心を急速に失う恐れがあります。

そうならないためにも、家庭で英語に少しずつ触れさせ、まず英語への抗体を作り、アレルギー反応を抑えておくということです。

子供は聞いたことがある、見たことがある、知っていることには自信をもって取り組みますし、そこでの成功体験はさらに関心を高めてやる気を起こさせます。

できることであれば、3年生で始まるまでに英語が好きになっていることが理想です。それができるのは3年生までの家庭での英語教育です。

幼稚園からのんびりとリラックスして英語教育を始めると親も子供もストレスなく続けることができます。焦らず、怒らず、楽しく、ゆっくり、のんびりと続けます。

英語のことが少しでも好きになれば準備は整ったと思って構いません。そうなればある程度は学校の英語教育に任せても大きな問題は起きなくなるでしょう。

家庭でできる対応の2つ目

3年生で始まった後は毎日の生活の中で少しでも英語を交えることです。

中学年の外国語活動は週に1回だけです。正直言って無きに等しいです。

それが高学年になると突然「読み」「書き」が加わり、成績評価の対象になることで、英語への抵抗感が生まれてしまう可能性があります。

そうならないためにも、最低でも中学年のうちから、家庭で英語に触れさせ続けましょう。「〇〇ってなんていうの?」程度で全く問題ありません。しかし毎日コツコツ続けましょう。

繰り返しますが、ここでも子供が英語を好きになることを目標とし、焦らず、怒らず、楽しく、ゆっくり、のんびりと続けてください。

家庭でできる対応の3つ目

できるかどうかは、子供の関心の高さにも家庭の状況にもよるかもしれませんが、外部試験の活用を検討しましょう。

できる子は新学習指導要領の外国語活動ではかなり物足りなくなることが予想されます。

前述の対応よりはちょっとレベルがあがりますが、英語検定などを利用して、モチベーションを維持させましょう。

中学生にできる対応

小学校同様に学校に期待することは難しいでしょう。

中学生の3年間は、本来、英語力が一番伸びる時期ですが、現場の英語教員のレベルが求められているものに追い付いていないことから、学校の授業だけで”使える”英語力を伸ばすことは困難です。

家庭でできることは、基本的に小学生と同様ですが、英語を好きにさせるという段階から、英語を嫌いにさせない、または英語の楽しさを認識させる、というような対応に変える必要があります。

英語を嫌いにさせない方法は、学校の英語の成績にこだわらないということです。

新学習指導要領に基づく外国語科(英語)の評価は、今までのように“机上の英語“が中心でない分、とても曖昧になります。ですので、学校の英語成績に一喜一憂する必要はありません。

むしろ英語への拒否反応を持たせないように、褒めて伸ばすようにします。

また、わかりやすい目標として英語検定を目指しましょう。

コミュニケーションやアウトプットを重視する授業にする予定とはいえ、ALTの活用率や教員の英語レベルからすると、十分に充実した内容になる可能性は低いと思われるので、アウトプットの練習方法が明確な英検を活用しましょう。

高校生にできる対応

学校の状況に加えて、国が主導する大学入試英語成績提供システムも先行きが不透明な状態で日本の受験システムが根本的に変わらないことから考えて、やはり学校で”使える英語”を習得することは期待できません。

学生はどういった学習が自分の進路に影響するのかわからずに、モチベーションを維持し難いでしょう。

新しい科目である「論理・表現」では、ディスカッション、ディベート、発表など英語のアウトプットを伸ばす教育方法が予定されていますが、それをリードできる教員のレベルが不十分で、ALTの活用が異常なまでに低いので、活発でインタラクティブな授業は望めず、学生のアウトプット技能向上は期待できません。

家庭でできる対応としては、1年生から英検やTOEICなどの外部試験を積極的に利用することです。

自分の目標をしっかりと定めて学習に取り組めますし、目指した級やスコアを取得した時の達成感は、学生にとっては何よりも貴重で信頼のおける評価となるでしょう。

また、延期されているとはいえ、大学入試英語成績提供システムは将来的には全面稼働しますし、現時点でも多くの大学が外部試験の成績を応募条件や受験時の加点として利用しています。

2年半かけて定めた目標に向けて子供を応援しましょう。

余裕があれば、英語試験で合格したりスコアを得たりする目的について「大学受験のためだけではなく、“英語ができる人”になるためである」ことを認識させましょう。そのためにもオンライン英会話やツイッターを利用した英語学習など、”使える英語”を身につける場や機会を作りましょう。

ツイッター英語学習については、別記事にまとめる予定です。

まとめ

新学習指導要領では、外国語(主に英語を指す)の学習について、小学校中学年からの外国語活動やコミュニケーション・アウトプットを中心とした授業内容への変更などを目玉に、とても意欲的に取り組む予定となっています。

しかしながら、当面の間はそれを指導し、評価する先生のレベルが追い付かず、学校現場が混乱することも考えられます。

とはいえ、英語は子供たちの将来を大きく、本当に大きく左右する影響力を持っています。

公立学校でも、レベルの高い教員やモチベーションの高い教員が在籍し、その教員たちが学校を引っ張っていけるような雰囲気があり、ALTやICT教材を積極的かつうまく活用して、子供たちの英語教育を飛躍的に伸ばしてくれるところも出てくると思います。

しかし、そういう“当たり”の学校に子供がいける確率は高くありません。

不安定な学校の英語教育に任せることなく、各家庭でしっかりと目標と方針をもって、英語教育に取り組んでいきましょう。

ソラミレ!はそんな家庭を応援しています。

ABOUT ME
けしもち
ソラミレ!運営者のけしもちです。 標準語が話せる関西人を自称している30代。 陽気な相方と、小学生と幼稚園の元気すぎる女子2人の4人で家族してます。 得意の英語、教育を中心にITガジェットや日用品など色々なことを記事にしております。 興味を持ってくれた方は、”プロフィール”のページをご覧ください。
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