こんにちは、けしもちです。

全5回でお届けしてきた連載「海外で働くという選択肢を持とう」。いよいよ今回が最終回のまとめとなります。

これまでの記事を通して、海外で働くことの魅力や働き方の違い、必要な心構えをお伝えしてきましたが、最後に「結論として、結局のところ海外で働くという選択肢をもつべきなのか?」について、私自身の観点からお話しします。

結論から言うと、「誰もが無理をしてでも挑戦すべきものではないが、最初から排除するのは自分と家族にとって大きな機会損失になる」というのが私の答えです。

では、なぜ「自分には関係ない」と捨ててしまうのがもったいないのか?今回は綺麗事抜きで、海外で働くことの「生々しいリアル」と、そこから得られる最大の財産について語り尽くします。

第1章:綺麗事抜きで語る、海外で働く「生々しい3つのメリット」

「グローバル人材になる」「視野が広がる」といった手垢のついた言葉ではなく、実際に外に出てみないとわからないリアルな恩恵を3つ紹介します。

① 圧倒的な「経済的・時間的」リターンの増大

駐在する国や条件にもよりますが、生活費が下がることで貯蓄ペースが上がり、余暇やエンタメに使える可処分所得が大きく増えることが多々あります。

また、定時退社や有給100%消化が「当たり前の権利」として尊重される環境も少なくありません。日本でサービス残業や付き合い残業に忙殺されていた時間を、すべて「自分や家族の人生を楽しむための可処分時間」としてゴッソリ買い戻せるというのは、お金以上に贅沢な体験です。

飲み会?ないない

日本の企業文化である社内や部署の飲み会や関係者との儀礼的な飲み会などは基本的にはありません。単なる付き合いで飲んだり食べたりすることは少ないですし、ビジネス上必要な場合は会社や組織が正式に業務として扱ってくれることが多かったです(仕事だからね)。

② 日本では得られない「駐在の特典」

「誰も行きたがらない」と認識されている海外駐在だからこそ、雇う側は手厚いサポートを提供してなんとか振り向かせようとしています。

例えば、勤務先からの手厚いサポートがある場合、子どもをインターナショナルスクールに通わせるための経済的補助などがあげられます。日本で普通に暮らしていてはなかなか手が出ない選択肢が身近になります。

さらに、一時帰国や他国へ休暇に行くための渡航費補助など、自己負担なしでグローバルに移動できる制度が整っていることも珍しくありません。「日本にいたら一世一代の奮発」になるような体験が、日々の日常の延長線上で手に入るのです。

光があれば闇もある

駐在先の国に日本人学校がない場合は、嫌でもインターナショナルスクールに通わないといけません。これは子供によっては大きな負担です。また、1〜2年に一度、日本への帰国や第三国での休暇が認められるのはそれだけ日常がハードモードだから・・・と捉えることもできます。

③ 「日本人であること」への敬意

欧米や中国以外の地域(例えば東南アジアやアフリカなどの現場)では、日本に対して非常に好感を持っており、日本人というだけで強い敬意を持って接してもらえることがよくあります。

日本では「その他大勢の会社員」のひとりとして埋もれてしまいがちな自分が、国境を越えた瞬間に「信頼できる優秀な日本人プロフェッショナル」として高待遇で迎えられる。この働きやすさと誇りは、現地で働く上で想像以上に大きな精神的支えになります。

これはまさに先人たちの苦労や頑張りの賜物です。また日本のODA(政府開発援助)によって恩恵を受けた国々の人たちの日本に対する感謝の表れでもあります。世界中で活躍し、これ以上ない好印象を残してくれた先人たちに大感謝!そしてODAは日本と日本人の安全と安定に間違いなく貢献しています。

第2章:最大の財産は「日本」という国の強烈な再発見

そして、海外で働くことの最大の財産は、実は「日本」という国の素晴らしさを強烈に再発見できることにあります。

日本にずっといると、ダメな政治、暗い経済ニュース、窒息しそうな同調圧力、形式主義や非効率なお役所仕事など、ネガティブな面ばかりが目につき、「落ち目の国」に見えてしまうかもしれません。私自身、20代のバックパッカー時代から日本の息苦しさに耐えられず何度も海外に出ています。

しかし、一歩外から日本を客観視した途端、それらの不満をすべて吹き飛ばすほど「日本がダントツ1位の素晴らしい国」だと気づくのです。

では、なぜ海外に出てまで「日本は素晴らしい」と再認識することが、私たちの人生においてそこまで重要なのでしょうか? それは、ハード・ソフトの両面で絶大なメリットがあるからです。

【ハード面】新たなキャリアやライフステージを「アップグレード」する足がかりになる

日本という国や自分が持っていたバックグラウンドの価値を客観視できるようになると、「日本の高品質なサービスやプロダクトをどう海外に展開するか」「海外の優れた仕組みをどう日本に持ち帰るか」という高度なビジネス視点(メタ認知)が育ちます。

帰国後、単なる「一労働者」から「日中・日米・日アフリカをつなぐキーマン」へとポジションが昇格し、一気にキャリアや生活の水準を上に跳ね上げることができるのです。

日本人が気づかない日本の良さ

日本人が日本にネガティブな印象や暗い未来を抱く一方で、日本付きの外国人は日本の良さに次々と気づき、発信し始めています。日本には世界に誇れることが数えきれないほどあり、世界が知っているのはほんの一部です。ここに私たちの最大のアドバンテージがあるのです。

【ソフト面】恵まれた環境に気づき、幸福度のベースラインが引き上がる

治安の良さ、水道水が飲める安心感、食の圧倒的なクオリティ、交通機関の正確さ——日本で「当たり前」だと思っていたインフラや文化は、世界的に見れば奇跡のような水準です。外の世界の過酷さや不便さを知ることで、「自分はなんて恵まれた国に生まれ、運命に恵まれているのだろう」と素直に感謝できるようになります。

日常の些細なことに喜びを感じられるよう「幸せの閾値(条件)」が自然と下がるため、どこにいても幸福感を感じやすくなり、人生の満足度のベースラインが根本から底上げされるのです。

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第3章:最強のアドバンテージは「いつでも動ける準備」をしておくこと

ここまでメリットをお伝えしましたが、「今すぐ全員が海外に出ろ」という話ではありません。

大切なのは、いざチャンスが巡ってきたとき、あるいは自分が「外に出たい」と思ったときに、いつでも動けるだけのカード(選択肢)を手元に持っておくことです。この「準備」こそが、これからの時代を生き抜く最大の武器になります。

それでは、具体的に今すぐ始められるアクションとマインドセットを詳しく解説しましょう!

アフリカ南部にあるボツワナ共和国駐在時に訪れた地元の製造会社(画像は元の写真をイラスト化したもの)

【具体的なアクション(ハード面)】

① 自分の価値を高める「実用的な語学学習」の継続

語学力は海外キャリアを開く万能の鍵です。単に資格やTOEICのスコアを取るためだけでなく、「自分のビジネス知識や専門性を英語でアウトプットできるか」という視点で積み重ねましょう。

1日15分のスキマ時間の継続はもちろん、どこかで「半年の超集中期間」を作って一気に臨界点を超える体験をするのも効果的です。語学という武器を磨いておくことで、世界のどこでも自分の実力を発揮できる準備が整います。

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② 自分の価値を際立たせる「得意分野・専門性」の先鋭化

ここで、藤原和博さんの著書『100万人に1人の存在になる方法』で紹介されている「キャリアのかけ算」という戦略が非常に参考になります。「本業の専門性(1/100)」×「語学力(1/100)」×「海外経験・異文化適応力(1/100)」=「100万人に1人のレア人材」

ひとつの分野でトップを目指すのは至難の業ですが、複数の強みをかけ合わせることで、あなたの希少価値は爆発的に跳ね上がります。海外というカードを足すことが、キャリア戦略としていかに強力かがわかります。

③ キャリアの棚卸しと、転職サイト・エージェントへの登録

今すぐ転職する気がなくても、グローバル案件に強い転職エージェント(JAC RecruitmentやLinkedInなど)に登録し、職務経歴書をアップデートしておくことを強くおすすめします。

「自分のスキルが世界の労働市場でどう評価されるのか」「どんなポジションでいくらの年収が提示されるのか」というリアルな市場価値を把握しておくだけで、キャリアの解像度が段違いに高まります。スカウトを受け取る環境を作っておくだけでも十分な準備になります。

キャリアの棚卸しは定期作業

転職する気がなくても自分のこれまで積み上げてきたもの、成し遂げたせいか、経験などを洗い出す作業としてキャリアの棚卸しは超おすすめです。自己肯定感にもつながるし、「次はこれくらい成果を出したい!」というやる気や、自分では気づけなかった得意分野の発見など、自分を客観視して将来の自己価値をあげることにつながります。

【マインドセット(ソフト面)】

① 「自分の人生をより良くする」という前向きなほのかな欲求(ポジティブマインド)

海外生活には想定外のハプニングや言葉の壁、環境の激変がつきものです。そんな時に必要なのは、「現状を打破したい」「もっと自分の人生を面白く、好転させたい」という前向きなエネルギーです。「大変そう」と身構えるのではなく、「新しい環境でステップアップできるチャンスだ」と捉えるしなやかさと欲求を持つことが、現地での適応力を何倍にも高めてくれます。

② 家族とのゴール共有と丁寧な巻き込み(ポジティブな共有)

海外移住や駐在は、自分ひとりではなく「家族チーム」のプロジェクトです。独断で進めるのではなく、日頃から「海外で暮らすと子どもの教育環境にこんな選択肢が増える」「休日にはこんな旅行ができる」といった魅力を少しずつシェアし、家族全員でワクワクできる環境を作りましょう。パートナーや家族の理解と協力がしっかり固まっていることこそが、失敗しない海外チャレンジの最大の足場になります。

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③ 「いざとなれば海外でも働ける」という心の安全基地(精神的余裕)

「自分には日本以外の場所でも生き抜く選択肢がある」と知っているだけで、日々の働き方やメンタル状態に劇的な変化が生まれます。これはちょうど「筋トレをして圧倒的なフィジカルを手に入れた人が、心に余裕を持てる感覚」とよく似ています。今の会社や日本の環境に縛られず、「いつでも別のカードを切れる」という自負を持つことで、職場での同調圧力や理不尽なストレスから解放され、日本にいても主体的に働けるようになります。

まとめ・最後に

人生の中で、仕事だけでなく家族との時間やライフスタイル全体の満足度を極限まで高めたい。現状の閉塞感を打ち破り、どこでも生き抜ける圧倒的な強みを持ちたい。

もしあなたが少しでもそう感じているなら、ぜひ「海外で働く」という選択肢をポケットにそっと忍ばせておいてください。

もちろん、海外で暮らしたり働いたりすることには、文化の違いや手続きの面倒さ、環境の変化に伴うストレスなど、一筋縄ではいかないデメリットも当然存在します。それらについては、これまでの連載記事(メリット・デメリット解説や適性チェック)でも包み隠さずリアルにお伝えしてきましたので、ぜひそちらも合わせて参考にしてみてください。

光と影の両方を知った上で、「動ける準備」を整えておくこと。

それだけで、あなたのキャリアと人生は驚くほど自由で、ワクワクするものに変わっていくはずです。

全5回の連載にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。けしもちとソラミレ!は、あなたのこれからの挑戦と選択を、心から応援しています!

ABOUT ME
けしもち
2021年に転職後、バングラデシュ→インドネシア→ボツワナで暮らす 【性格】日和見、ゆるい、適当 【言語】英語(英検1級、TOEIC925)仏語(仏検3級、DALF A2) 【興味】インドネシア語、ウクレレ、YouTube、Tiktok、ラーメン 【ブログ】海外生活情報、英語学習、子供の英語教育