こんにちは、けしもちです。

最近、生成AIや高精度な自動翻訳ツールの急速な進化にともない、「時間とお金と労力をかけて語学を学ぶなんてコスパが悪い」「AI時代に語学力はもう不要だ」といった声を耳にすることが増えました。

たしかに、デスクワークでの機械的な翻訳や定型的なメール作成は、AIを活用することで驚くほど効率化できます。

しかし、「将来的に海外で働きたい」「世界を舞台に挑戦したい」と考えているビジネスパーソンや、子どもにグローバル教育を受けさせたいと願う親御さんにとって、この「語学力不要論」を鵜呑みにするのは少し危険です

この記事では、AI時代だからこそ、現場で生きる「生身の語学力」が最強の差別化スキルになる理由を、海外生活のリアルな視点から紐解いていきます。

デスクワークにおける語学力の「均質化」と残された領域

わたし自身、これまでに英検1級やTOEIC920点を取得し、駐在員そして外交官として、バングラデシュ、インドネシア、ボツワナなどの途上国最前線で働いてきましたが、日々の業務でAIの恩恵はフルに受けています。

英文メールの作成や一次翻訳は瞬時に高いクオリティで仕上がりますし、自分の書いた英語の確認にさえAIを使う始末です。正直なところ、デスクワークにおける語学力は今後さらに不要になり、誰もが一定レベルの文章を作れるよう「均質化」されていくでしょう。

しかし、出てきた英語の微妙なニュアンスや、TPO(時と場所、場面)に合っているかどうかの最終判断を下すのは、結局のところ使い手の語学力にかかっています。テクノロジーに頼れる部分は頼りつつも、最後の舵取りをするための英語力は依然として手放せません。

ネットも電気もない!?海外の現場で突きつけられる「生のコミュニケーション」

日本や先進国を一歩出ると、インターネットが繋がらない場所なんて山ほどあります。

昼は40度、夜は氷点下になるような過酷なアフリカの砂漠や、フィリピンの無人島ツアー中に予期せぬトラブルが起きたとき、「充電もネットも不要で、0.001秒のタイムラグで動くスタンドアローンなAI翻訳機」が都合よく手元にあるでしょうか?世界の環境がそこまで劇的に変わるのを待っていては遅すぎます。

インフラが途絶えた瞬間、あるいは災害時に自分や家族の身を守るために頼れるのは「自分で鍛えた語学力」だけなのです。

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現地で揉まれて掴む「生きた言葉」のブレイクスルー

また、言葉には進化があり、流行り廃りもあります。とくに英語は、母国語が持つ独特の発音や表現方法によって強烈なニュアンスの違いが出ます。

よく知られているインド英語やシンガポール英語だけでなく、パキスタン、バングラデシュ、そしてアフリカの人々が話す英語は、最初は本当に聞き取れません。しかし、現地で揉まれながら必死にコミュニケーションを取っていると、それは味のある対話へと進化します。

ずっと何を言っているか分からなかったバングラデシュ人スタッフの言葉が、ある日突然すっと胸に落ちてわかるようになる瞬間。このブレイクスルーの気持ちよさと、そこから生まれる深い信頼関係こそが、生身の語学の醍醐味です。

バングラデシュで仕事中に昔の同僚に偶然出会った時。(画像は元の写真をイラスト化したもの。ロゴ等は架空のものに修正)

AI時代だからこそ「生身の語学力」が最強の差別化になる

AIによって事務作業がデジタル化されるからこそ、現場で泥臭く人と人との関係を築ける人材の価値が跳ね上がります。語学力を持たない人との差別化や優位性に直結するため、これはむしろ私たちにとって「チャンス到来」と言えるでしょう。

希少言語と「日本語ネイティブ」のアドバンテージ

さらに注目したいのは、「マイナー言語」の希少価値です。

世界で1億人以上が話す日本語ですが、実は世界屈指の「習得が難しい言語」に分類されます(米国務省の機関FSIのランキングでも最高難易度に指定されています)。それを母語として操れる私たち日本人は、その時点でかなり大きなアドバンテージを持っています。

「英語とフランス語」や「英語とヒンディー語」といったメジャーな組み合わせよりも、「アラビア語と日本語」「ベンガル語と日本語」のような組み合わせは、AIによる言語対応にもタイムラグが生じるはずです。ここにも、私たちが世界で勝負できる大きなチャンスが眠っています。

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まとめ

以下に、AI翻訳と生身の語学力が活きる領域の違いをまとめました。

領域AI翻訳が得意なこと(自動化)生身の語学力が必要なこと(差別化)
ビジネス・事務定型メール作成、資料の一次翻訳、正確な文法チェック商談での駆け引き、微妙なニュアンスの最終判断、TPOに応じた言葉選び
現場・生活安定したオンライン環境での定型的な会話ネット圏外・災害時の危機管理、現地特有の訛りへの適応、感情を通わせる対話

テクノロジーで効率化できる部分はどんどん頼るべきです。

しかし、世界の果てで誰かと心を通わせたり、トラブルを自力で乗り越えたり、ビジネスで深い信頼関係を築く場面では、自身の努力で培った語学力に勝るものはありません。

AI時代において、語学力は決してコスパの悪い投資ではありません。海外で働くという選択肢を持ちたいなら、そして世界中で素晴らしい出会いを望むなら、語学力は当分の間、あなたを助ける「一生モノの武器」になります。

グローバルなキャリアへとステップアップするために、今こそ本気で語学と向き合ってみませんか?

ABOUT ME
けしもち
2021年に転職後、バングラデシュ→インドネシア→ボツワナで暮らす 【性格】日和見、ゆるい、適当 【言語】英語(英検1級、TOEIC925)仏語(仏検3級、DALF A2) 【興味】インドネシア語、ウクレレ、YouTube、Tiktok、ラーメン 【ブログ】海外生活情報、英語学習、子供の英語教育