こんにちは、けしもちです。
みなさんは英検®のリスニング対策はどのようにしているでしょうか?
私は2級~準1級の間は独自のリスニング対策でしのいできましたが、1級の時から伸び悩んでしまいました。
私は英語学習を、試験に受かるためではなくて、実生活で使える英語を身につけることを目標に続けています。
ですので、このまま独自の勉強方法を続けるよりも、根本的なリスニング力向上のためにも学習方法を見直す必要がありました。
そこで見つけたのがこのリスニング対策本です。
英検®1級/準1級 最短合格!リスニング問題完全制覇
The japan times ジャパンタイムズ出版
英検®のリスニング問題対策本は旺文社と学研を中心に他にもたくさんありますが、なぜ私があえて王道を行かずにジャパンタイムズの「最短合格!英検1級/準1級リスニング問題完全制覇」を選んだのか?
今回はその2大理由を紹介したいと思います。
リスニング力向上のための具体的なアドバイス
本書を購入した目的は2つあり、1つ目はもちろん英検1級に合格できるリスニングスキルを身につけるため。もうひとつは、”本物のリスニング力”を向上させるため、でした。
演習問題と模試以外で、リスニング力の向上に関するページに合計で50ページ以上もさかれており、自分のリスニングのどこが弱点であり苦手なところはどこなのかを客観的に知ることができました。
特に、次の3つのパートが特徴的だったので、順番に紹介していきます。
- 「聞き取れない症状」と「処方箋」
- リスニング力強化法
- コラム「Tips for you リスニングのコツ」
聞き取れない理由と対策法がわかる
「英語が聞き取れない」とか「リスニングが苦手」というのには必ず原因があります。
今までは、その原因を自分で推定して、分析して、対応方法を考えて対処してきました。
しかし、それが本当に効果があったのか、効率的な対応方法だったのかは分かりませんでした。ただ何となく「お、リスニング力向上したかな?」と感じるだけだったんです。
しかし、本書ではその「英語聞き取れない」症候群の原因をしっかりと解明してくれます。
まず、そこには「聞き取れない症状」として12の症状が紹介されています(P.14~23)。基本的には誰もがこの症状のどれかに当てはまると思います。
各症状は「なぜそれが聞き取れないのか?」という原因をしっかりと説明してくれており、さらにはその症状への対応として「処方箋」なるものも書かれています。
つまり、具体的な症状を明らかにしたうえで、その原因に対する対応方法も明示されているんです。
例えば、私が自分に当てはまるとしたのが、
「症状4:音声の出だしや途中でつまずくと、理解できなくなってしまう」というパターンです。
特に、途中でつまずくとズルズルと最後まで引きずってしまい、結局何の話だったのかわからなくなることがありました。
英検のリスニング問題では全問の中で1~2問くらいがこれに当たるだけなので、正直そんなに点数に影響はしていなかったのですが、海外メディアのニュースを聞いているときにこの症状がよく出ました。
その「処方箋」が「聞き取れなくても固執しない、話の大筋をイメージして聞く」というものでした。
この対応方法はどちらも自分では「やっているつもり」でしたが、ここではもっと具体的にどうすればいいのかが説明されていました。
そして、その具体的な改善・練習方法として「概聴」というものが示されていました。これについては、次の「具体的なリスニング強化方法がわかる」で説明します。
リスニングが伸び悩んでいる人は、まずは本書のこの部分を読んでみてください。原因と対処方法がスッキリわかるので、本当に役立ちますよ!
私自身のリスニング力はまだまだ改善の余地がありますが、それでも本書に出会って適切な練習方法を続けたことで、全体的にバランスの取れたリスニング力になったと思います。
具体的なリスニング強化法がわかる
自分の「聞き取れない症状」とその「処方箋」がわかったら、「じゃあ、実際どうすればいいの?練習方法は?」となると思います。
本書では、それぞれの弱点や苦手にあったリスニング強化方法を提案してくれています。
具体的には、「精聴」と「概聴」という2つの方法です。
さらに精聴は「スクリプトを活用する」方法として黙読⇒音読⇒ディクテーションと、「スクリプトから離れる」方法として区切り聴⇒シャドーイングという流れに分かれています。
それぞれの方法の詳細な点、例えばディクテーションやシャドーイングなどはすでに聞いたことがある人や実際にやっている人も多いかと思いますが、それを一連の流れの中で実践することに意義があります。
また、「なんでディクテーションをする必要があるのか?」を分かって練習しているのと、なんとなく良さそうだからと、闇雲に練習の一つとして取り入れているのでは、効果も効率も全く変わってきます。
前述の「聞き取れない症状」と「処方箋」で自分が修正したり強化していかなければならないポイントをしっかりと自覚したうえで、流れに沿って適切な練習方法を取り入れて実践していくことが、とても重要になります。
私の場合は、特に「概聴」というリスニング強化方法が役立ちました。一つ一つの音が聞き取れずに困るというよりは、途中で聞き取れない箇所が出た途端に「あれ?なんの話だっけ?」と全体の流れを見失う症状でした。
そこで本書の提案に従って概聴のトレーニングをしたところ、すぐに効果が出ました。聞きそびれてもちゃんと話の筋に戻り、最後まで付いていけるようになったのです。
これは英検のリスニング問題の対応力としてもそうですが、英語のニュースを聞き取るのにとても役立つことになりました。
海外メディアのニュースをよく聞きますが、途中でわからない言葉や表現が山ほど出てきます。それでも最後まで聞き取れて、内容がつかめるようになったのです。
ぜひ、自分の「聞き取れない症状」と「処方箋」に対するリスニング強化方法を実践してみてください!
リスニングのコツ(コラム)が役立つ
上記の体系だったリスニング強化方法とは別に、本書の中ではリスニング力向上に関する5つのコラムも書かれています。
1コラムが1ページだけなので短いですが、これもハッとさせられるものばかりです。
私の場合は、リスニングのコツ5に書かれていた「聞き取れないのは音だけの問題ではない」という内容に、「今まで何となく感じていたモヤモヤしていたものはコレか!」と思いっ切りハッ!とさせられました。
簡単に紹介すると、「リスニングで聞き取れないところがあるのは音が捉えられないという問題だけではなくて、文法と語彙力の問題でもある。リーディングをしっかりと行うことでリスニング力の強化につながる」というものです。
これについては全く知らなかったというよりは、今までもなんだか関連性を疑って自分でもそんな勉強方法を取り入れていたが、ちゃんと教えてもらってスッキリした!という感じです。自分の取り組んでいる勉強が意味のあることだったんだ、と思えることはモチベーションアップにもつながるので大切ですよね。
この他にも、「スクリプト通りに聞こえなくても、「そうなのだ」と思って聞こう」や「相手のリズムに乗って聞こう」などの役立つコラムがありますので、ぜひご自分で手に取って確認してみてください。
過去問じゃない、150問以上のオリジナル問題
過去問は5年間分以上を完全にやりつくしてしまい、練習できる問題がなくなってしまった・・・という人は結構たくさんいると思います。
私もそうでした。
それでも何度も何度も同じ問題を解いて精度を上げていくようにしました。しかし、本番に初聴のリスニング問題に対してきちんと対応できるのか?というと、不安が残っていました。
どこかにオリジナル問題ないかなーと探していた時にこの本に出会いました。
過去の英検問題を分析して作られたオリジナル問題が150問以上あり、たっぷり練習できますし、模試2セットも付いています。
1問1問を丁寧に練習して、最後に模試で仕上げる!という流れが作れます。
私は過去に英検1級の1次試験を失敗していたので、「この本で合格できなかったらもう取り組むオリジナル問題もないのでやめよう」と思っていました。
それだけに、問題集の一問一問をかなり大事に取り組んだことを覚えています。
演習問題の部分は英検と同様に各パートに分かれて構成されています。
- パート1のダイアローグ形式
- パート2のパッセージ形式
- パート3のリアルライフ形式
- パート4のインタビュー形式
それぞれの章で各パートの概要と攻略方法がきちんと解説されていますし、旺文社とは違った角度でのアドバイスが新鮮で良い刺激になりました。
各演習問題に付いている回答には、解き方解説/アドバイスがあり、どこをしっかりと聞くべきなのかがわかりました。
この解説をしっかりと読み込んで、解き方のポイントを叩き込むことで、リスニング中にずっと100%の力で聞くのではなく、上手に力を入れて/抜いて聞けるようになります。
いずれにしても、英検1級または準1級を受験する方で、「もう過去問やりつくしてリスニングの勉強素材がない!!」と困っている方は、本書をおススメします。
ちなみに私は、英検1級合格後も時々本書を読み返して、リスニング力向上に励んでます!